バクテリアマットの使い方

 どんなに良いマットを使用しても、産んだ卵が孵化して幼虫が大きく成れないと成虫が判断した場合には、なかなか産まないと考えられます。つまり、産卵の為のマットと言う考え方だけでは不十分で、幼虫の成長も考慮したマットの方が産卵数も多くはるかに有利です。


[水分]
 水分量は堅く握って僅かに絞れる位にしてください。バクテリア等の繁殖は多量の水を必要としますので、空気の補充が付けば水分は多い方が良いと思います。バクテリア等の密度を高くしなければ全てに於いて不利になります。

[セット]
 若齢幼虫が充分育つ為に水は不可欠なのですが、水とケースが空気を遮断してしまうので壊疽(えそ)を起こし,有益なバクテリア等の微生物は空気不足の為に死んでしまいます。 そこで、私は、プラケースの底や横に2mm位の穴をたくさん空けて空気の流通を確保しマットの腐敗を防ぎますが、乾燥は避けられませんので水を補給する場合があります。
 尚、使用中にマットの色が褐(黒)色に変化して行く場合は良い状態を維持していますが、黄色に変化していく時は空気が不足していますので注意してください。

[応用]
 ケースの底に食わせ用を厚さ2cm位堅めに敷いて、その上に軟らかく産卵用を入れてください。産卵が終わったら成虫を取りだして、そのままにしておくとケースの底に幼虫が現れますので2齢に成ったらバクテリアビンに移してください。産卵用と食わせ用を2層にして2齢まで育てると手間も掛からず、バクテリアビンに移すことができます。
 もし、材を使用した場合には、孵化する前に卵出しを行い、マットの中に卵を落としてください。孵化直後の幼虫に材を食べさせることは避けてください。成虫の大きさに影響します。

バクテリアマット産卵用
 特に大きく成れた幼虫の糞を集めて培養しました。
 中に含まれている微生物は、空気中に当たり前に存在する微生物ですが、
幼虫の育成に適しているものを培養すると言う考え方を取り入れて開発しました。
 マットの違いは、見た目では分からないので、主に臭いを考慮して使用時期を決めています。
 通常、良い状態に成るまでに2〜3ヶ月位掛かります。
 添加物は一切使用していません。
 カビ等の雑菌に強く、長期間使用する事を考慮して多少粗目にしてあります。
 バクテリアの栄養になる乾燥した菌糸は殆ど入っていません。
 
アンタエウスの産卵に最適です。


バクテリアマット初齢〜2齢食わせ用
 産卵用と異なり、バクテリアの密度が高く成る様に配合しました。マットの細かさと水分量を調整してできる限り幼虫の体内でバクテリアの繁殖が有利になる様に乾燥したキノコの粉末等を配合してあります。
 注意する点は、水分をむやみに多くすると水が空気を遮断して腐敗することがあります。状態を見ながら調整してください。
 小さなプラカップ等で2齢中期まで育ててから3齢に成る前にバクテリアビンに移しますが、埋め込む時に適量を必ず一緒に入れてください。その時に、必ず水も少し入れることを忘れないでください。
 2齢の重さは、遺伝的限界はあるものの5g以上に成ることがしばしばあります。3齢に成った時の大きさに驚くでしょう。

 最大サイズにする為の最良の方法であると言えます。